前田利彦様インタビュー

第5回

アマチュアsection

一般歌曲部門第1位

前田利彦

☆コンクール参加のきっかけ

さまざまなステージで一緒に演奏活動をさせていただいている伴奏の松原先生と、今年もピアノ一般最上級部門で受賞されている藤本先生がお知り合いであったこと。

☆私にとって音楽とは

世界各国の、日本の素晴らしい合唱音楽を演奏したことは貴重な財産となっています。好きな名曲を自分のものにし、心を込めて表現し、聴く人に感動してもらえる、その喜びはかけがえのないものです。先日、音楽仲間の練習を真横で聴いてるとき、手に持っていた空のペットボトルが振動して、ハッとしました。一緒に演奏すること、生の演奏を聴くことは、まさに響き合うことなんだと!

☆今後チャレンジしたいこと

マーラー 亡き子をしのぶ歌 オーケストラをバックに全曲演奏

シューマン 詩人の恋 全曲演奏

まだ力不足なので、したいこと、というより、夢

☆受賞の感想

初めて出場した本格的なコンクールで、まさか本選で1位になるとは思ってませんでした。ただ歌っている瞬間は、客席にブラームスやマーラーが聴いていても恥じない演奏を目指しました。

予選、本選と松原先生と練習を重ね、細部のすり合わせを繰り返し、久しぶりに録音して自分の声を客観的に聴いて多々問題に気づき、この如何ともしがたい自分の体を、名歌手達の録音や多少の教本の言葉の恩恵によって立て直し、結果としてプロの声楽家の方々に評価していただけたことは、大変自信になりました。今回の経験を今後の音楽活動に生かしていきたいと思います。

☆コンクールのエピソード

ブラームスの五月の夜は、自宅のヘルマンプライのレコードで聴き、大学合唱団夏合宿の余興として披露して以来30年ぶりの再演。マーラーとの出会いは、25年前京大オケ山下一史さん指揮で第2番復活を感動に震えながら歌ったこと。その後、父所蔵のCDから1955年フィッシャーディースカウの亡き子をしのぶ歌の熱演を見つけた。失恋の悲しみを、子供を突然喪った悲しみを、それぞれ情緒連綿と美しく歌い上げた大好きな名曲です。

☆その他PR

作曲編曲お手の物、ピアノはクラシックからジャズまで自由自在、の松原邦彦先生、弦楽器はチェロ、ヴァイオリン、ギターと何でもござれの佐渡文彦先生(KME:京都メディカルアンサンブル主催)、といったスーパーミュージシャンを中心として、京都山科の音楽仲間たちと、幅広い演奏活動をしています。私の十八番は、シナトラのマイウェイ、千の風になって、明日にかける橋などなど。

なお、今回は時間制限もありマーラーを割愛し、独身復帰した今、新たな恋の誕生を祈念して、恋模様を描いたWir wandeltenを選曲し、ブラームスシリーズとしました。