山田 美樹様インタビュー

第4回

アマチュアSection

ピアノ一般大学生・院生部門1位

山田 美樹

 

この度は素晴らしい賞とリサイタルの機会を頂き、大変光栄に思います。支えて下さった全ての方に心より感謝申し上げます。

私はまだまだ未熟であり、音楽を語るに足る演奏には遠く及びませんが、ピアノに向かっていると自然と、音楽とは何か、音楽を通して自分に何ができるのかを考えさせられます。

偉大な作曲家たちが残してくれた数々の音楽作品。それらを通して、私とは生きた国も時代も異なる作曲家たちの感性や考え方、人生に触れることができる。それらを演奏していくことで、音楽も作曲家の魂も時を超えて生き続ける。そして奏者や聴衆も互いに繋がっていける。こんなにも夢のあることがあるでしょうか。

表現するということは何物にも代え難い喜びであり、言葉にならないようなニュアンスも音楽ならば伝えることが可能になります。また、誰一人として同じ演奏はできませんし、同じ奏者でも二度と同じ演奏はできません。正解も完璧もない、その場限りの生きた芸術であるが故に、音楽の美しさはこれほどまでに人々を魅了するのだと思います。

私は日々医学生として、サイエンスの世界で勉強や研究、実習等に励んでいますが、音楽は理屈を超え、人の心に寄り添い、人生を豊かにしてくれるものだと感じています。今後も様々な経験を積んで自分の引き出しを増やし、曲に対して豊かなイメージを抱けるようにし、それを実際の音として表現できるテクニックを身につけていきたいです。そしてピアノソロのみならず、アンサンブルや作曲編曲等、様々な角度から総合的に音楽を学び、楽しみ、追究し、音楽的にも人間的にも少しずつ成長していければと思います。

最後になりましたが、あおによし音楽コンクール奈良の益々のご発展とご活躍をお祈りいたします。本当にありがとうございました。

・コンクール参加のきっかけ

オーケストラとのピアノ協奏曲共演、リサイタルへの出演などのチャンスがあると知り、出場を決めました。

・受賞の感想

1位を目指して練習してきたので、結果を聞いたときは嬉しく、ほっとしました。ただ、本番の演奏は納得のいくものではなく、非常に悔いが残り、自分の技術的・精神的未熟さを改めて思い知りました。この悔しさをバネに今後も努力を重ねていきたいです。

・あなたにとって音楽とは?

音楽とは、時を超え国や言語を超えて、誰しもが共有できるイメージや感情や思いが、音という形を通して表れたものだと思います。音楽そのものが持つ美しさと、作曲家がそこに込めたメッセージとの相乗効果、そしてそれを自分なりに解釈し伝えようとする演奏家と聴衆とのコミュニケーションによって、感動が生まれるのではないでしょうか。

・コンクールのエピソード

研究や部活が忙しく、また下宿生でありピアノを所持していないため、練習時間・場所の確保が大変でした。さらに、1曲を突き詰めていくことの奥深さや難しさを感じました。

・今後チャレンジしたいこと

私は阪大医学部合奏団という団体において、ソロ、伴奏、室内楽やミニオーケストラ、作曲編曲など様々な活動を行っており、この春からは団長を務めさせて頂きます。アンサンブルにはソロとはまた違った醍醐味があります。仲間たちと試行錯誤しながら共に音楽を作り上げていく過程を通して、喜びや達成感を分かち合っていければと思います。

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7月29日(土)に三木楽器開成館コンサートサロンにて、ジョイントリサイタルに出演します。私が敬愛してやまないショパンの作品を中心にプログラムを組む予定です。1曲1曲に真摯に向き合い、その魅力をお伝えできるよう精一杯努力しますので、よろしければ是非お越し下さい。